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QUESTION
その他、気になることはお気軽にお問い合わせください。
歯並びが乱れて、ガタガタになるのはなぜですか?
歯とあごの大きさの違い、噛み合わせやあごの発育の問題、また、ケガ、乳歯の早期喪失、むし歯などが原因として考えられます。お子さまの場合は、指しゃぶりや爪かみ、頬杖、口呼吸などの癖が原因で歯並びが悪くなるケースがあります。
矯正治療にはどのような種類がありますか?
ワイヤー式のブラケット矯正やマウスピース矯正、歯並びの一部を整える部分矯正など、様々な方法があります。当院では、きちんと精密検査を行い、その結果に基づいて患者さまに適した治療方法をご提案いたします。
人に気づかれにくい矯正治療はありますか?
はい。マウスピース型装置を使用した矯正治療なら、目立ちにくく、取り外しが可能なため、患者さまの負担の少ない方法と言えます。当院では、マウスピース矯正にも対応しております。
どれくらいの治療期間が必要ですか?
歯並びの状態などによって異なりますが、月1回の通院で約2年かかります。
また、矯正装置を外した後、後戻りを防ぐための保定期間が3~6ヶ月間は必要なので、長い方の場合は3年に及ぶこともあります。
矯正治療をするとむし歯になりやすいというのは本当ですか?
使用する矯正装置によって一概には言えません。ブラケット矯正などの場合は、歯に矯正装置を装着したままになるので、どうしても汚れが取りにくく、むし歯になるリスクが高くなります。
矯正治療に保険は使えますか?
矯正治療は、基本的に保険適応外の自由診療です。
ただし、先天性疾患のある場合などに限り、一部保険が適応されることがあります。
むし歯や歯周病があっても治療は可能ですか?
まず、むし歯や歯周病の治療を行い、その後に矯正治療を開始します。
当院は総合歯科医院なので、むし歯などの治療を行った後にそのまま矯正治療を開始することが可能です。お気軽にご相談ください。
妊娠中でも矯正できますか?
矯正治療の開始前にレントゲン撮影などの検査を行います。このため、胎児への影響がないとは言い切れず、治療の開始を見合わせたほうが無難です。
子どもの歯並びが気になります。いつから治療を開始すれば良いですか。
お子さまの場合は、永久歯が生え始める6歳前後に治療を開始し、永久歯の生え変わりが完了するまでに治療を終えるのを目標にしています。
子どもは、マウスピースを装着しているだけで歯並びが整いますか?
マウスピースを使用するだけでもある程度の効果は期待できます。ただし、並行してしっかりとトレーニングするほうがより効果的です。
歯並びが気になります。矯正が必要かどうか見分ける方法はありますか?
矯正治療を専門とする歯科医師の診断を受けることをおすすめします。
歯並びの乱れにはいろいろな種類があり、矯正治療が必要かどうかを見分けるのは専門家に任せた方が良いからです。もちろん、明らかな出っ歯や乱ぐい歯など、誰が見ても治療が必要と思えるケースはあります。しかし、その原因や具体的な対処法をしっかり見極められるのは矯正治療を専門とする歯科医師だけです。いきなり矯正歯科に行くのは敷居が高いと感じている人も少なくないと思いますが、矯正歯科を受診したからといって、すぐに治療を開始しなければならないわけではないので、心配は不要です。
矯正歯科では必ずと言って良いほど、矯正相談やカウンセリングを実施しています。そうした機会を利用して、歯並びの悩みを相談してみましょう。相談のための機会なので、気負う必要はありません。不安に感じていることや治療に関する疑問なども気軽に問いかけてみてください。
歯並びの異常は、たとえ歯科医師でも一目見ただけでは判断できません。お口の中で確認できるのはいわば“氷山の一角”のようなもので、骨格や上下のあごのバランスは、精密な画像検査などを行わなければ正確に把握できません。歯並びの異常は、見た目の問題だけなく、そしゃく機能や発音機能にまで悪影響が及ぶことがあり注意が必要です。場合によっては、より深刻な問題が潜んでいる可能性もあり、矯正治療が必要かどうかは、専門家である矯正医に見極めてもらうのが一番です。
乱れた歯並びを放置するとどうなりますか?
将来的にいろいろなリスクが生じる可能性があります。
矯正歯科には、見た目が気になるという理由で歯並びの治療を希望される方が極めて多く受診されます。歯並びの乱れは口元の審美性を大きく左右し、深刻なコンプレックスにつながることも少なくありません。こうした審美的な問題やメンタルのトラブルは歯並びの乱れを放置する大きなリスクと言えるでしょう。
しかし、歯並びの乱れを放置すると、これら以外にも多くのリスクを背負うおそれがあるのをご存じですか。わかりやすいのは、むし歯や歯周病にかかりやすくなることです。八重歯や出っ歯など、歯並びの一部分でも乱れがある方は実感されていると思いますが、歯並びが乱れていると、歯磨きがやりにくいのです。きちんとお手入れができないので、歯垢や歯石など細菌の温床となる物質がお口の中に溜まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。お口の中の汚れは口臭の原因にもなりやすいため注意が必要です。
また、嚙み合わせの異常を引き起こして、歯やあごの関節に過剰な負担がかかるリスクも考えられます。歯並びが悪いと、噛みみ合わせも乱れてしまうのです。上下の歯列が正常に噛み合っていないと、一部の歯やあごの関節に過剰な負担がかかり、歯の破折やあご関節の異常につながる危険性も上昇するため、まずは専門家に相談することをおすすめします。
矯正治療のメリット・デメリットを教えてください。
矯正治療のメリットとしては、「見た目が美しくなる」「長年のコンプレックスが解消できる」といった審美性の向上がまず挙げられます。乱れた歯並びは、口元の審美性を大きく低下させます。矯正治療による歯並びの改善は、見た目の印象を大きく変えることにつながるのです。
また、歯並びが整うと、自ずと噛み合わせが正常化され、食べ物をより効率良く噛めます。少し難しい言葉でいうと“そしゃく能率”が向上するのです。その結果、歯やあごにかかる負担を軽減でき、硬いものや噛みにくい食べ物も不自由なく食べられるようになります。
さらに、矯正治療によって歯並びが整うことで、歯磨きがしやすくなるのも大きなメリットです。歯列の隅々まで歯ブラシが行き届くので、みがき残しが少なくなります。細菌の温床となる歯垢や歯石も溜まりにくく、むし歯や歯周病のリスクも減少するというわけです。
一方、矯正治療のデメリットとしては、比較的高額な治療費がかかることと治療期間が長い点が挙げられます。矯正治療は審美目的の歯科治療なので、原則として健康保険が適用されず、一般の歯科治療より費用が高額になりがちです。また、ほとんどの場合、治療期間が数年に及ぶので、長期に渡って矯正装置を装着しなければならない点もデメリットと言えます。
矯正治療を始めるのに適した時期はいつですか?
適した時期は、矯正治療の種類や患者さまのお口の状態によって変わります。
「矯正治療は子どもの頃に受けるもの」と思われている方は比較的多く、実際に小児矯正を受ければ、効率良く歯並びを矯正できます。しかし、成人後に受ける治療もあり、矯正処置に適した時期は、あくまでケースバイケースと考えて良いでしょう。
お子さんの歯並びに異常が認められた場合は、基本的に小児矯正をおすすめします。発育途上のお子さまなら、成長に合わせて骨格の異常を改善できるからです。お子さまの歯並びやあごの骨の異常に気付いたら、その時点で一度、矯正歯科を受診してください。小児矯正が必要かどうかも含めて、矯正の専門医に診断してもらう必要があります。
一方、歯並びを細かく調整する「歯列矯正」は、原則としてあごの骨の成長が完了した後に行います。いわゆる「ワイヤー矯正」や「マウスピース矯正」は、あごの骨の発育が済んだ後に治療を開始するのが適したタイミングです。言い換えると、成人になってからの矯正治療は、年齢にかかわらず開始可能なのです。
このように、矯正治療の開始に適した時期は年齢や矯正治療の種類によって大きく変わるため、まずは専門家に相談することをおすすめします。矯正医であれば、患者さまにより適した治療の時期や方法を提案可能です。
何歳まで矯正治療を受けられますか?
歯並びを整える歯列矯正は、何歳になっても受けられます。
しかし実際には、「矯正治療を受けてみたいものの、年齢的に難しいかもしれない」と諦めてしまっている人が少なくありません。結論から言うと、矯正治療に年齢制限はありません。20代、30代はもちろん、40代、50代になっても矯正治療を受けることができ、実際に治療を受けておられる方もいらっしゃいます。年齢的に不安を感じている方は、まずは矯正歯科にご相談ください。
ただし、矯正治療の種類や歯並びが悪くなった原因によっては、治療法が限定されることもあります。例えば、“骨格的な異常”に由来する歯並びの乱れはこうしたケースに当てはまります。下のあごの骨が前方に突き出て受け口となっているケースは、小児期に矯正治療を受けておくことが望ましいのです。
子どもの時期に受ける矯正治療は、あごの骨の発育を正常化させるものです。このため、年齢制限がある治療と言えます。成長期でなければ、期待する治療効果が得られないからです。ただし、骨格的な異常であっても、成人してから外科矯正や歯列矯正を組み合わせることで改善することは可能です。
このように、矯正治療には基本的に年齢制限がありません。歯並びの乱れを改善したいと思われた時点で矯正医に相談してください。矯正を開始する年齢によって選択できる矯正法は異なりますが、それぞれのケースでより適した治療法をご提案いたします。
矯正治療中にスポーツや楽器演奏ができなくなりそうで心配です?
矯正治療では、さまざまな形態の矯正装置を装着します。このため、スポーツや楽器の演奏に支障が出ないかと、不安に感じている方も多いと思います。しかしご心配なく。ほとんどのスポーツや楽器の演奏に問題はありません。
スポーツについては、たいていの種目は問題なくプレーできます。患者さま自身が矯正装置の装着に伴う違和感や異物感を気にされることはあるかもしれませんが、スポーツのパフォーマンスに大きな悪影響を及ぼす心配はほとんどありません。
ただ、ボクシングや空手といった格闘技、プレイヤー同士の接触が多いアメリカンフットボールやラグビーなどは、矯正装置でお口の中を傷つけてしまうリスクがあります。こうしたスポーツを行なう場合は、スポーツマウスガードを装着するなどして対処しましょう。
一方、楽器については、演奏の仕方によってはお口の中の粘膜を傷つけるリスクがあり、専用のワックスを矯正装置に塗布して予防します。矯正装置の異物感については、慣れるほかないのが実情です。矯正装置の存在に慣れるまでは、思うように音が出せなくなる可能性があるので、忍耐力が必要ですね。
このように、矯正中に控えるべきスポーツや楽器は基本的にありません。ただし、お口の中に大きなダメージが及ぶようであれば、治療を優先しましょう。治療開始前のカウンセリングの段階で、普段から行っているスポーツや楽器について申告いただければ、できるだけトラブルを避けられる治療計画を立案可能です。
矯正後の保定期間はどれくらいの頻度で通院が必要ですか?
3~6ヶ月に1回程度の通院が目安です。
矯正用のワイヤーやマウスピース型矯正装置によって歯を動かした後は、保定期間が設けられています。矯正治療によって移動した歯は、元の位置に戻ろうとする性質があるからです。このため、保定期間中は3~6ヶ月に1回くらいの頻度で通院いただきます。
通院頻度に大きな開きがあるのは、お口の中の状態や治療内容によって、保定処置が大きく変わるからです。もっとも、保定を開始した当初は、通院の頻度が高くなる点は共通しています。このため当初は一般的には3ヶ月に1回程度の通院が必要です。矯正した歯の状態が落ち着くに従って、徐々に通院頻度が低くなり、最終的には6ヶ月に1回程度の通院となります。また、保定期間中の診療は1回につき30分程度の時間しかかからず、患者さまにとってそれほど大きな負担にならないと思います。
保定処置は、基本的にすべての矯正治療で必要です。歯を移動させる治療が終わったからといって、その時点で通院をやめてしまうのはおすすめできません。せっかく時間とお金をかけて動かした歯が元に戻ってしまい、患者さまの不利益となってしまうので注意が必要です。
このように、矯正治療後も保定のために一定の間隔をあけて通院の必要があります。その期間も踏まえて、矯正治療を検討することが大切なポイントです。
転勤の予定があり、早めに矯正を終わらせたいのですが。
一部の例外を除いて、矯正治療を短期間で終わらせるのは難しいと言えます。
矯正治療にかかる期間は、歯並びの状態や使用する方法により異なります。歯並び全体を整える「全顎矯正」の場合、マルチブラケットまたはマウスピースを用いると、一般的に治療期間は2~3年です。このため、半年、1年後に転勤の予定がある場合は、全顎矯正は難しいでしょう。
一方、歯並びの一部分だけを整える「部分矯正」なら、半年~1年で矯正を終えることも可能です。前歯のちょっとした乱れを治すなど、部分矯正で対応できるケースなら、検討する価値はあると思います。ただし、矯正治療には後戻りを防ぐ保定処置が必ず必要です。また、治療後に何かトラブルがあった場合には、主治医が対応するほうが望ましいでしょう。こうした点も踏まえると、矯正治療は期間に余裕を持って開始されることをおすすめします。ただ、それでも短期間で歯並びの改善をご要望の方は、お気軽に当院までご相談ください。
患者さまの歯並びの状態をきちんと診査し、治療についてのご要望をお聞きした上で、より良いと考えられる方法をご提案いたします。
また、転勤・転居後も継続して通院できる場合は、治療を開始しても問題ありません。矯正治療の場合、一般的な歯科治療のように毎週の通院は必要なく、患者さまのご都合も踏まえて、無理のない通院ペースをご提案可能です。
保険が使える矯正治療はありますか?
一部の例外を除いて、矯正治療は健康保険が使えない自由診療です。
むし歯や歯周病の治療には保険が適用されるのに、矯正治療は原則として自由診療となるのは、矯正治療の多くが“審美目的”で行われるからです。矯正治療に限らず、日本では見た目を美しくするために受ける治療は、保険が適用されない自由診療となってしまいます。このため、矯正治療の費用は高額になりがちです。
ただし、先天的にお口の中やお口周りに何らかの異常がある場合は、矯正治療であって保険が適用されるケースがあります。例えば、あごの大きさ・形態などに問題があり、顎変形症や噛み合わせの異常が生じているケースなどです。先天的に歯の数が少なく、噛み合わせの異常が生じている場合も、矯正治療に保険が適用されることがあります。また、唇顎口蓋裂、トリーチャー・コリンズ症候群、ターナー症候群なども先天性異常に分類されます。こうした病気や異常に悩んでおられる方は、矯正治療を保険診療で受けられる可能性があり、受診を検討する価値があると言えます。
もっとも上記の条件を満たすケースは極めて稀で、矯正治療は自由診療で受けるものとお考えいただいた方がわかりやすいかと思います。また、自由診療であっても、治療費を安く抑える方法があります。矯正治療のカウンセリングでは、費用についての要望もきちんと伝えることをおすすめします。
矯正治療で医療費控除が受けられるそうですね。
はい、矯正治療は医療費控除の対象です。
矯正治療は審美目的の歯科治療なので、医療費控除の対象とならないとお考えの方も少なくありません。確かに、見た目のみを目的とする矯正治療は、医療費控除の対象から外れてしまうため注意が必要です。しかし、見た目を美しくすることだけを目的に行われる矯正治療は、むしろごく少数派と言えます。ほとんどの場合は、審美性を追求するとともに、機能性の回復を目指すからです。そしゃく機能や発音障害の改善なども治療の目的に含まれるのが一般的です。ただし、歯並びの悪さが噛み合わせや発音に悪影響を及ぼしていると診断される必要はあります。
医療費控除は、1年間に支払った医療費が10万円をこえる場合に申請できる制度です。比較的高額な治療費が必要な矯正治療は、多くがこの制度の対象となります。矯正治療の費用をデンタルローンで支払った場合も、医療費控除の対象です。なお、医療費控除の手続きは、一般的な方法と同じです。
矯正治療は健康保険が適用されず治療費が高額になりがちですが、ほとんどの場合、医療費控除の対象となります。医療費控除によって税金の一部が還付されれば、節約にもつながります。治療を受けた場合は、確定申告の際に忘れずに手続きを行ってください。
矯正治療の際に顔写真を撮るのはなぜですか?写真を人に見られたくありません。
お顔の写真は、より適した矯正治療を行うために必要な情報だからです。
治療前の検査や治療の途中で撮影する顔写真などは、精密な施術を行う上で重要です。治療の前後で、お顔の様子がどのように変化したかなどを確認でき、治療計画を立てる際にも大切な役割を果たします。こうしたお写真の必要性をご理解いただけると幸いです。
一方、矯正歯科のホームページには、過去の治療例などが画像付きで紹介されているのをご覧になったことはありませんか。こうした情報は、矯正治療を検討中の方にとって、非常に有用です。ただし、治療ケースの写真掲載および紹介は、必ず患者さまの許諾を得た上で行われます。患者さまの同意なく、歯科医院の判断だけで顔写真などが紹介されることはありませんのでご安心いただければと思います。
また、写真の掲載を打診された場合も、患者さまには拒否する権利があります。何より大切なのは、患者さまのお気持ちやプライバシーです。これらを侵害されると感じられた場合は、遠慮せずに拒否してください。
また、同意をいただいた上で紹介する際も、お口の中にフォーカスした画像を選択するのが一般的です。お顔全体まで写った画像を、加工せずに公表する例はまずありません。歯科医院が患者さまのプライバシーを侵害するようなことは、あってはならないからです。
矯正治療ではレントゲンをたくさん撮影するようで、被ばくが心配です。
歯科医院のレントゲン撮影で、身体に悪影響が及ぶことはまずありません。
とはいえ、レントゲン撮影というと、被ばくを心配される方が多いと思います。放射線は肉眼で見えないので、身体にどのような悪影響が生じているのか不安に感じるのも仕方ありませんね。そこで、まず歯科におけるレントゲン撮影の安全性について確認しましょう。
歯科でのレントゲン撮影は、お口の周囲に限定されています。矯正治療でお顔全体を撮影するケースはありますが、全身に放射線を照射することはありません。また、撮影の際には放射線防護の役割を果たす“鉛製のエプロン”を着用します。このため、顔からの被ばくは皆無に等しいと言えます。
お口の周囲についても、年に数回程度のレントゲン撮影であれば、被ばく量は微々たるものです。矯正治療で行なうレントゲン撮影も例外ではなく、矯正治療のレントゲン撮影で、健康被害が生じることはまずありません。心配は不要です。
もちろん、妊娠中の女性のように、特別な配慮が必要なケースもあります。しかし、そうしたリスクは事前に把握でき、大きな事故につながるおそれはありません。
医療行為としてレントゲン撮影を行う際は、メリットとデメリットをきちんと検討した上で選択されます。レントゲン撮影に伴う被ばくによって、患者さまの健康が害されるおそれがあるケースでは、当然、他の方法を検討します。
ブラケットが痛くて食事がしづらい場合はどうすれば良いですか?
マルチブラケットを用いたワイヤー矯正では、治療開始当初に強い違和感や異物感、場合によっては食事の際の痛みを感じる場合があります。これはマルチブラケット法で矯正治療を行う際は、ある程度仕方のないことと言えます。ただし、1週間経っても強い異物感や違和感、痛みなどに悩まされる場合、多くはブラケットの設置状態に問題あるケースです。不適切な位置にブラケットが接着されている、矯正用ワイヤーの装着状態が悪いといった状態では、お口の中の粘膜を傷つけてしまうおそれがあります。このため、食事も思うように食べられないほど痛みがある場合は、歯科を受診して、ブラケットや矯正用ワイヤーの調整を行うようにしてください。
一方、矯正装置による異物感や違和感が少し気になる程度であれば、しばらく様子を見ても良いでしょう。お口の中はとてもデリケートです。ちょっとした異物が入っただけでも気になるのに、マルチブラケット装置ともなると、違和感や異物感もそれ相応に大きくなってしまいます。ただし、1~2週間経っても違和感や異物感が一向におさまらない場合は、歯科医院での調整が必要です。
このように、マルチブラケットによるワイヤー矯正では、矯正装置による多少の違和感や異物感はつきものと言えます。しかし、食事もままならないほど強い痛みが生じるのは、やはり異常です。日常生活に支障が出るような場合は、調整が必要ですので、すぐに歯科を受診しましょう。
矯正装置に汚れが溜まります。むし歯にならないか心配です。
矯正期間中は、一般的にむし歯や歯周病のリスクが高くなります。中でも、マルチブラケット法は固定式の矯正装置を用いるため、食べかすが溜まりやすく、お口の中の衛生状態が低下しがちです。このため、矯正治療を始める前と同じようにケアをしても、むし歯・歯周病のリスクが上昇します。リスクを低下させるためには、きちんとしたケアが必要なのです。
矯正治療を始める際は、治療中の正しいオーラルケア方法について歯科医師と歯科衛生士から学ぶことが大切です。矯正装置はデコボコしており、通常の歯ブラシだけでは十分に汚れを取り除けません。ワンタフトブラシやデンタルフロスなども活用しつつ、上手にケアしていくことが大切です。
食事の内容にも気を配る必要があります。矯正装置に挟まりやすい食品はできるだけ避けてください。コーヒーなど着色性の強いものも、歯の審美性を低下させるため、あまりおすすめできません。
また、上記のことを踏まえて、食事の内容やお口のケアに細心の注意を払ったとしても、やはり食べかすなどが溜まってしまうので、歯科医院でのプロフェッショナルケアも受けるようにしましょう。当院では、矯正装置の調整を行う際はもちろん、定期検診にお越しの際もプロフェッショナルケアを実施します。歯並びをきれいに整えても、むし歯や歯周病になってしまっては元も子もありません。
数ヶ月後に県外へ転勤します。治療は継続できますか?
転勤などで引っ越ししなければならない場合も、できる限り治療を開始した歯科医院へ継続して通院するほうが良いと思います。矯正治療は長期的な治療計画に基づいて行われるからです。県外に転居される場合も、現在のかかりつけ医での治療の継続をおすすめします。
とはいえ、距離的に通院が難しい場合は、転院が必要です。転院の際は、かかりつけ医が紹介状を書き、治療の引継ぎに必要な資料一式を提供します。こうしたケースでは治療が中断されるため、支払い済みの費用の一部が返還されることもあります。事前にしっかりと話し合っておきましょう。
また、矯正治療の治療方針や施術法は歯科医師によって大きく異なります。このため、最終的な治療のゴールなどが変化する可能性があるのでご注意ください。治療費の総額も当初より高くなる傾向にあります。
患者さまのお口の状態や矯正方法によっては、転院が容易な場合もあります。しかし、さまざまな条件を総合すると、矯正治療の場合はむし歯治療や歯周病治療とは異なり、安易な転院は奨励できません。近い将来、遠方への転居が予想される方は、矯正治療を開始するタイミングを熟考する必要があります。
歯並びが整うまでどれくらいの期間が必要ですか?
一般的な歯列矯正では1~3年が治療期間の目安です。ただし、矯正治療にかかる期間は、あくまでケースバイケースです。患者さまの歯並びの状態や選択した矯正法によって、治療に必要な期間は大きく変わります。
広く知られている「マルチブラケットによる全顎矯正」の場合、治療に要する期間は1~3年程度です。矯正用ワイヤーとブラケットを歯の表面につけて、歯並び全体を矯正した場合の治療期間です。マウスピース型矯正装置を用いた場合でも、歯並び全体を整えるには同程度の期間を要します。
さらに、矯正装置による治療が完了すると、歯の後戻りを防ぐための保定処置が必要です。リテーナーと呼ばれる保定装置を装着する処置で、通常、矯正装置による治療と同じくらいの期間が必要です。このため、矯正治療が完了するまでには、合わせて2~6年の期間が必要となります。
もっとも、保定期間に使うリテーナーは、歯を動かす矯正装置ほど複雑ではなく、異物感や違和感も小さめです。ほとんどが着脱式で、患者さまの心身にかかる負担も多くありません。このため、歯を動かしている時のような苦労が、4〜5年も続くわけではないのでご安心いただければと思います。さらに、部分矯正を選択されれば、治療期間は大幅に短くなります。矯正方法によって治療期間は変化するので、まずはお気軽にご相談ください。なお、上記はあくまで成人矯正の一般的な例です。お子さまの矯正の場合、治療期間は大きく異なります。
矯正治療は痛そうで心配です。
矯正治療に伴う痛みの感じ方には個人差があります。一般的に、適した方法で進められる矯正治療の場合、我慢できないほど強い痛みを伴うことはありません。正しい位置に矯正装置をつけ、必要な力を加えながら歯を移動させるからです。それでも強い痛みを感じる場合は、矯正装置を調整する必要があります。治療の進め方に問題がある可能性も否定できません。
ただし、患者さまに合った矯正治療でも、比較的弱い痛みや違和感、異物感などは少なからず生じることがあります。このうち、矯正装置に対する異物感や違和感は時間の経過とともに少しずつ気にならなくなります。おしゃべりやものを噛む際に、矯正装置が舌や粘膜に刺激を与えることもありますが、慣れるまで少し我慢が必要です。しかし、繰り返し口内炎ができるなど、粘膜が過剰な刺激を受けている場合は、矯正装置の調整が必要と言えます。
一方、歯が動くことに伴う痛みは、矯正装置を装着した後や調整後に現れやすいのが特徴です。歯が痛むというよりは、引っ張られるような感覚です。痛みのピークは施術後1~2日間で、その後は徐々に和らいでいきますが、再び調整を行うとまた同じような現象が起こる可能性があります。
治療に伴うこうした痛みは、いろいろな方法で和らげられます。不安がある方は、お気軽にご相談ください。痛みに配慮した矯正治療をご提案いたします。
矯正中は日常生活での不便はありますか?
矯正治療を検討中の方は、治療に伴って日常生活に支障をきたさないか不安に感じておられると思います。食事や会話、お口の中のお手入れなど、さまざまな面で制限がありそうですからね。実際のところ、矯正治療を開始すると、日常生活で不便を感じる経験は少なからずあります。とはいえ、毎日の習慣や行動が大きく制限されることはありませんので、心配は不要です。
具体的に「これを食べてはいけない」「このスポーツはやめてください」といった制限が加わることはありませんが、歯磨きがしづらい、しゃべりにくいといった不自由を感じる方はいらっしゃると思います。とりわけワイヤー矯正の場合は、矯正装置の特質から異物感や違和感が大きくなる傾向があり、中でも最初の頃は不快に感じる経験も多いでしょう。しかし、1~2週間もすれば慣れてきますので、それほど心配する必要はありません。
食事についても、基本的には何でも食べられます。ただし粘着性の強いガムなどは例外で、矯正装置にへばりついてしまうものは避けたほうが賢明です。スポーツも万全を期すのであれば、専用のマウスガードを装着するといった対応が必要です。
上記のように、矯正中であっても日常生活が大きく制限されるケースはほとんどありません。矯正治療は数年間に及ぶので、できる限り快適に続けたいものですね。
矯正治療で健康な歯を抜くのはなぜですか?
矯正治療では、健康な歯を抜く「便宜抜歯(べんぎばっし)」が行われることがあります。その名の通り“便宜上必要な抜歯”で、場合によってはむし歯や歯周病にかかっていない健康な歯を抜かなければなりません。抜歯の目的はスペースの確保です。歯を抜いて、歯がきれいに並ぶためのスペースを確保するのです。
出っ歯や乱ぐい歯など、歯並びの乱れには様々なタイプがありますが、その多くは歯が並ぶスペースの不足が原因となっています。スペースが足りないので、一部の歯が歯列からはみ出てしまうのです。こうしたケースでは、小臼歯などを数本抜いてスペースを確保します。ただし、すべての矯正治療で便宜抜歯が必要なわけではありません。すきっ歯に代表される「空隙歯列(くうげきしれつ)」のように、スペースが余っているケースもあります。また、スペース不足が原因で乱れた歯並びでも、抜歯せずに歯をきれいに並べ直せるケースもあります。歯並びの治療を受けると、必ず歯を抜かなければならないというわけではないのです。
健康な歯を抜歯することに抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。しかし、それによりきれいな歯並びが獲得できるのであれば、メリットのほうが大きいといえます。歯並びが整うと見た目が美しくなるだけでなく、噛み合わせやお口の掃除のしやすさも良くなるからです。ただし、抜歯によるデメリットの方が大きいと判断した場合は、その他の治療法を検討します。
矯正装置があると歯磨きがやりにくそう。
矯正装置の種類によっては、清掃性が低下することがあります。
マルチブラケットのような複雑な装置は、清掃性が大きく低下して、矯正治療を開始する以前と同じようなケアでは、みがき残しが増えます。その結果、歯磨きしづらい部分などがむし歯になってしまうのです。
そこで重要となるのが丁寧なお口のケアです。矯正期間中は、歯ブラシやワンタフトブラシなどを使って、丁寧にブラッシングしてください。少々コツが必要なケアなので、事前に歯科衛生士からブラッシング指導を受ける必要があります。慣れるまでに時間はかかりますが、頑張って矯正中に適したケアの方法を身に付けましょう。
治療期間中にむし歯になると、装置を一度外してむし歯治療を行わなければなりません。むし歯の治療そのものはそれほど難しくありませんが、矯正治療のスケジュールが大きく乱れるため、できる限りむし歯にならないよう予防に力を入れるのが賢明です。むし歯が重症化したり、複数の歯にひろがったりすると、矯正治療そのものが難しくなるので注意が必要です。
また、矯正中は歯周病のリスクも大きくなります。矯正装置の付近に歯垢や歯石が溜まって、細菌の温床となるからです。歯周病になって歯茎や歯を支えている歯槽骨がダメージを受けると、矯正治療に深刻な悪影響が及びます。むし歯とともに歯周病もしっかり予防しましょう。歯科医院で定期的なプロフェッショナルケアを受けることでも、矯正中のむし歯・歯周病予防につながります。
引っ越しで通院が難しくなります。どうすれば良いですか?
基本的には転院の手続きを進めます。
治療期間が数年にも及ぶ歯列矯正の場合、治療期間中に転居が発生するケースが珍しくありません。しかし、矯正治療は極めて特殊な歯科治療で、可能であれば最初から最後まで同じ矯正医に治療を任せるのが理想です。このため、矯正中に引っ越しが決まった場合も、転居先からの通院が推奨されます。矯正治療の場合、通院頻度がそれほど高くないので、多少距離の離れた場所にお住まいの場合でも通院の継続は不可能ではありません。とはいえ、利便性などを考えると、お住まいや勤務先から近い歯科医院で治療を受けるほうが良い場合もあり、こうした場合は転院の手続きを進めます。
転院の際は、主治医から紹介状と治療の継続に必要な資料などが提供されます。これらを持参して転居先の矯正歯科を受診してください。同様の矯正治療を行っている歯科医院なら、引き継ぎは可能です。しかし、中には治療計画の立て直しが必要となるケースもあります。歯科医院の方針によって、対応が大きく異なる点に注意が必要です。
矯正期間中の転院は、あまりおすすめできませんが、やむを得ない場合は必要な手続きを進めていきましょう。また、転居先でもできるだけスムーズに治療が継続できる歯科医師を探すことも大切です。せっかくお金と時間をかけて行った治療が無駄にならないよう、しっかり準備しましょう。
小児矯正のメリットを教えてください。
お子さまの発育に合わせて歯並びや骨格の異常を矯正できるのが大きなメリットです。
小児矯正は、歯やあごの発育に合わせて治療を進めます。例えば、下のあごの骨の発育が遅れて出っ歯になっている場合は、矯正装置によって発育を促すことで、正常な歯並び、正しい噛み合わせに改善可能です。一方、上のあごの幅が不足している場合は、拡大床と呼ばれる処置であご骨の幅を広げ、歯がきれいに並ぶためのスペースを作れます。こうした骨格的なアプローチは、お子さまの矯正治療ならではの特徴です。
一方、あごの成長が完了してから受けるマウスピース型矯正やワイヤー矯正は「歯列矯正」と呼ばれます。歯並びを細かく整えるのに適した治療で、あごの発育が終わっていれば、何歳になっても治療が可能です。ただし、小児矯正のように骨格的な異常を改善することは不可能です。成長段階のお子さまにしか改善できない、歯並びの異常もあるのです。
上記のように、お子さまが矯正治療を受けるメリットは、極めて大きいと言えます。骨格的な異常を改善すると、美しい歯並びが期待できるだけでなく、お顔の見た目が整い、お口周りの筋肉の正常な発達にも寄与します。お子さまの歯並びや骨格的な異常が気になった場合は、まず矯正歯科を受診しましょう。
子どもの矯正は「小児歯科」と「矯正歯科」のどちらが良いのでしょう?
歯科医院が掲げる診療科名は、歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科の4つに限定されています。「小児矯正」の項目がなく、お子さまの矯正治療を希望する場合、どの歯科医院に相談すれば良いか迷ってしまうのも仕方ありません。とりわけ、小児歯科と矯正歯科のどちらが良いか迷う方が多いと思います。
結論から述べると、お子さまの矯正なら小児矯正に対応している歯科医院をおすすめします。小児歯科や矯正歯科を掲げている歯科医院でも、小児矯正に対応していない場合があるからです。また、矯正歯科を掲げている歯科医院には、成人矯正のみに対応しているところも少なくありません。しかし、小児歯科に対応している歯科医院なら、掲げられている診療科目が小児歯科でも矯正歯科でも問題はありません。
最近では、マウスピース型矯正のように、診療を開始しやすい矯正治療が普及して、成人矯正の一部のみ取り扱う歯科医院が増えてきました。これに対して、小児矯正は専門性が高く、豊富な知識や診療実績が治療の精度を大きく左右するため、対応できる歯科医院は限られてきます。このように、お子さまの矯正治療を任せるのは、小児歯科あるいは矯正歯科を掲げている歯科医院だけに限りません。小児矯正に対応している歯医者さんであることが何より重要です。
子どもの矯正のトレンドを教えてください。
矯正治療というと、歯並びの乱れを細かく整える処置を思い浮かべる方が多いと思います。一方、小児矯正ではあごの幅を機械的に広げる治療がイメージされやすいでしょう。しかし最近では、マウスピース型の矯正装置をつけて、呼吸の仕方を改善し、お口周りの筋肉の正常な発育を導く治療法が普及してきました。
例えば、いつもお口が開いている「お口ぽかん」の状態が習慣化すると、口呼吸になってお口の中が乾燥します。すると、唾液による自浄作用や抗菌作用、殺菌作用が弱まってしまい、むし歯のリスクが高くなるのです。また、唇による圧力が弱まって、いわゆる出っ歯になることもあります。お口ぽかんや指しゃぶり、舌を前に突き出す癖など、歯の健康や正常な歯並びを阻害するこうした癖を改善するためにマウスピースを装着するのです。マウスピースをつけることで、悪い癖が取り除かれ、歯並びの乱れを防止できます。さらに、舌やお口周りの筋肉の働きも正常化され、お口や顔、あごの発育も良くなります。マウスピースは取り外し式なので、お子さまの心身への負担も比較的軽いのが特徴です。
このような治療は、いわゆる矯正治療とは異なるように思えますが、小児矯正において一般化しつつある方法です。お子さまの口呼吸や噛み合わせの異常などにお悩みの場合は、治療の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
小児矯正の費用目安を教えてください?
お子さまの矯正治療にかかる費用はケースバイケースで、治療の内容によって大きく異なります。
お子さまの矯正治療は「第Ⅰ期治療」と「第Ⅱ期治療」に分けられます。第一期治療は、あごの骨の幅や大きさの改善を目的に行われ、治療費の相場は200,000~400,000円程度です。症状の程度によって治療費が大きく変動するため、費用にかなり開きがあります。あくまで参考程度とご理解ください。
一方、歯並びを細かく整える「第Ⅱ期治療」の費用相場は、250,000~650,000円程度です。第二期治療はいわゆる歯列矯正で、成人も受けられます。しかし、第一期治療を受けることなく第二期治療を受ける場合、治療費はさらに高額です。一般的なワイヤー矯正の場合で1,000,000円前後の費用がかかることからも、第Ⅰ期治療が果たす役割の重要性をご理解いただけると思います。
矯正治療にかかる費用をできるだけ抑えたい場合は、第一期治療から受けることをおすすめします。第一期治療は骨格的な問題をダイナミックに改善できるため、第二期治療で矯正が必要な点が少なくなり、処置もスムーズに進められるのが利点です。
矯正治療には初回の相談料や検査費用、装置の調整料なども発生します。お子さまの矯正費用の総額がどのくらいになるのか、カウンセリングの段階でしっかり確認しておくことが大切です。